科学ニュース4連発
この週末は科学ニュースが豊作でしたね。
国際研究チーム、光より速い素粒子を計測:時事ドットコム
http://mainichi.jp/select/science/news/20110924ddm041040123000c.html
http://www.47news.jp/news/2011/09/post_20110924053302.html
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110926/mca1109260814004-n1.htm
(最後のだけちょっと旗色が違いますが、エネルギー政策関連に一石を投じそうなので。)
○超光速ニュートリノ
ニュートリノについては、科学者は「さー、これから間違い探しだ!」と思っている一方、マスコミは「タイムマシン実現!?」と騒いでいる光景がとってもシュールです。
細かい点については、↓で私の言いたいことは大体言われてしまっているので、今回は言及なしとします。
山本弘のSF秘密基地BLOG:「光より速いニュートリノ」をめぐる誤解
○米衛星(UARS)落下について
これって、これまでも定期的にあったネタですよね。。。
1979年にはスカイラブ(米宇宙ステーション)がオーストラリアに落下し、民家に破片が激突してます。
また、2001年にミール(露宇宙ステーション)が南太平洋に制御落下しました。このときは、直前に日本上空を通過したため、騒ぎになりましたね。
今更、ここまで騒ぐ程のことじゃないなぁとは思うのですが。
↓また近々落ちてくるという話もあるようですし。
http://mapingtokyo.com/archives/563.html
私としては、『打上げるまえから、地上まで落ちてくることくらい気付いてただろ!』と言いたいです。
落ちてくること前提に打上げたのかよ!と。
UARSはシャトルで打上げた質量5.9トンの超大型の衛星です(日本の代表的な大型低軌道衛星であるALOSでさえ質量4トン)。また、燃えにくい材質を使っているのも、設計段階で分かってた筈の情報です。
地上まで落ちてこない様な設計にするよう、設計標準を整備すべきだと思います。
現在でも、スペースデブリをこれ以上増やさないようにするための標準は整備されていて、衛星は25年以内に落ちてくるようにするか、用途の少ない軌道に移動してから衛星の運用を終了するかが求められています。そこに、「大気圏で確実に燃え尽きるような設計にするように!」と追記するだけでも良いように思いますが、如何でしょうか。
○情報収集衛星打上げ
まぁ、無事打ち上がってめでたしめでたしなんですが、私的にはコイツも問題衛星だと思っています。
公になっている限定的な情報を元にした推定ですが、問題点を箇条書きにすると、下記の通り。
・なんで光学衛星ばっか上げてレーダー衛星の方を増やさないの?需要があるのはレーダーでしょ。電源でトラブルが続いたからって、そろそろ対策終わって再トライして良いころなんじゃないの?
・デュアルロンチに耐えられる小型サイズにしておきながら、いつまでシングルロンチしているの?光学デュアルででも打上げれば良いじゃない。
摂動で軌道面制御したり同軌道面上で位相をずらしたりするのは、そんなに推薬なくても出来るはず。光学デュアルで上げても、十分意義のあるコンステを形成できるのでは?
・東日本大震災ほどの非常時でさえ画像を公開できないの?確かに、安全保障上の理由から画像をオープンに出来ないという理由には、一定の説得力がありますが、画像に加工を加えても出せないものなんですかね?
えっ、商用衛星より画像悪いのがバレる?あぁ、そいつは確かにお恥ずかしいですね(笑)
・いつまでオンボロバスを使い続けるの?どうせシングルロンチで打上げるなら、もっと良いバスを使えば良いじゃん。
・そもそも、レーダー衛星と光学衛星を同じ軌道に投入するって、バカなの?死ぬの?
合成開口レーダーって、衛星に搭載するセンサとしては、電力を超大量に消費し電気系統が超発熱する代物です。そこで、地上時6時の軌道(昼と夜の境の上を飛び続ける軌道)へ投入するのが定石なんですよねー。
この軌道だと、常に太陽光が同じ方向から来る=翼回転機構が不要&常時発電できるので大容量バッテリに電気を溜め込まなくても常時電力使用可能&深宇宙も同じ方向に見え続けるので放熱面が固定され熱制御が容易、といったメリットがあるからです。海外のレーダー衛星って、9割この軌道使ってますよ。日本だけです、殆どこの軌道使わないのって。
光学衛星との同時打ち上げに拘った結果として、レーダー1号機は、光学と同じ10時半〜11時の軌道に投入された事が米NORADの公開した軌道データにより判明してしまっています。
流石に次からは同じチョンボは繰り返していませんが、それでも実は何時の軌道使っているかなんてバレバレなんですね。
打上げ時刻って、ほぼそのまま太陽同期極軌道の地上時と近い値になるのですよ〜。ふふふ。
前述のH-IIA5号機(レーダー1号機&光学1号機を搭載したロケット)は、10:27打ち上げでした。
レーダー2号機の(光学2号)の打上げ時刻は13:33なので(H-IIA6号機)、やっぱり光学衛星の事情を優先して13時半〜14時を狙ったのだと思います。
光学衛星は、太陽光ー地上ー衛星の角度が15〜30度くらいだと、太陽光の直反射は受けないけど暗くもないので、一番観測し易いんです。物に適度に影が出来るのも好まれる一因です。そこで、人気は10〜11時と13〜14時の軌道に集中するわけです。
で、どっちがより人気か?と言われると、答えは午前の10〜11時の方になります。何故かと言うと、午前の方が午後より雲が統計的に少ないから。一般に、午後の方が気温が高いので雲が発生しやすいらしいです。もちろん、雲があったら地上は撮影できませんので、午前の方が良いと言うわけです。
そこで、最初の光学1号は10時半の軌道を狙って、その次の光学衛星は13時台を狙ったと。まぁ普通の感覚ですねー。
このH-IIA6号機は、打上げ時にトラブルで指令破壊されたので、続いて打上げられたH-IIA10号機(光学2号機・改)も13:35打上げでした。12号機(レーダー2号機・改&光学3号・実証機)も13:41打上げです。
まず、経費削減のために光学とレーダーのデュアルロンチは決まっていたと。
で、光学衛星は地上6時軌道だと使い物にならないのに対し、レーダー衛星は何時の軌道に入れられても電源と熱制御さえ頑張れば使えない訳ではないと。つまり、(財政的な問題により形作られた)原理的な問題v.s.技術的な問題という構図です。これでは勝敗は明白。かくして、レーダー衛星もセットで10時とか13時の軌道に入れる作戦になったのでしょう。
H-IIAの202型と4/4D-LCフェアリングの組合せを使っていたことから、バスはUSERSと同じじゃねーの?って説は、私にも一定の説得力をもって聞こえる話です。
これが本当だとすれば、こんな前世代のオンボロバスに無理やり大容量バッテリ積んで、合成開口レーダを積んで、無理やり放熱しながら10時台の軌道飛んでいたということになります。
電源回りに無理が掛からないと考える方がおかしい訳ですよ。
結果的に、レーダー衛星は連続で電源系トラブルで喪失しました。やっぱり無理が顕在化しちゃった、あ〜あ、ってな具合です。しばらくレーダー衛星を上げられず、結局光学衛星を何度もシングルロンチして、典型的な安物買いの銭失いですね。
国家プロジェクトが情けないったらありゃしない。
素直に専用バス作って、6時の軌道に上げるべきだったと思います。
あと、推進薬が大量に必要でも軌道面制御能力もつけて、打ち上げ時間で地上時がバレないようにもしましょうよ。
○原発推進派の町長が再選(山口県上関町)
このタイミングで、原発推進派の市長が当選するとは思ってなかったですねー。
しかも、僅差ではなく1868票対905票という大差。みなさん案外冷静で安心しました。
(ただ、ここは「原発無くなると街が死ぬ」って具合に追い込まれている町なので、まだ楽観視はできませんけど。)
報道特集番組で、この市長選挙の前夜を取材していたのを観たのですが、上関町って、かなりの過疎地なんですね。財政状況も、全歳入44億円のうち原発関連の交付金が約11億円という状況で、片や町民税収は2.5億円しかない。高齢化率5割超。若者の仕事も無い。そりゃ原発も誘致したくなる筈です。
同番組によれば、この町を舞台に、原発推進v.s.反原発の争いが30年来続いてきているとか。
その番組は、そもそも作り手の立場が反原発というジャーナリズムに有るまじき番組だったため、焦点は「原発建設に対抗して反対運動する人たち」でした。
で、その映っていた人達は、「正直どうなんだろうなこの人たちは」という印象。
恐らくは「都市に移住しろ」と言われても「町民税5倍にするぞ」と言われても「Yes」と言いそうに無い人たちが、原発反対を連呼していたためです。(まぁ、Yesと言いそうに無いという点は予想なんですが、そんなに外してはいないでしょう。)
あれもヤダこれもヤダでは、ただの駄々っ子ですよね。
こういう駄々っ子を量産するという点では、現代民主主義の限界を感じます。
あのテレビに映っていた人たちが多数派じゃなかったという事実は、私にとって救いでした。
「おお、まだまだ日本は捨てたもんじゃないね」と。
※ ちなみに私は、地方を補助金付けにして原発を押し付けるやり口自体は、あまり支持していません。都市に移住したくないと駄々をこねる人たちに、せめて原発くらいは受け入れて貰うための苦肉の政策だと思っています。(極端な表現ですが。)
本来ならば、過疎地の人口は潔く公共インフラが整った都市部に移す方が、全体で見れば効率的なのは自明ですし、その実現のための枠組みを考えるのが政治の仕事です。そして、それに従える住民こそ民度が高いと言えます。これも、「公共の福祉」の一種ではないでしょうか?
皆で都市移住が出来れば、反対住民も居ないので、空いた土地に補助金なんか無くても原発を設置できます。補助金によるハコモノ量産も無い分よっぽど効率的ですし、福島の様な事故があっても、そもそも周囲に住民が居なければ被害は随分少なかった筈です。非常にシンプルで合理的だとは思いませんか?
まー、過疎人口の都市移住なんて現実的に有り得ないオプションなのは分かってるのですけどね。。